2022年度1号「つながる、ひろがる ヒト・モノ・コト」インタビュー

2022年度1号「つながる、ひろがる ヒト・モノ・コト」インタビュー

2022年7月1日

三鷹まちづくり通信2022年度1号(2022年7月1日発行)

三鷹市大沢で400年以上続く花農家「えびさわ農園」が手掛ける食べられるお花“エディブルフラワー”がデビュー

 三鷹市大沢で400年以上続く花農家「えびさわ農園」15代目の海老澤一晃さん。花農家として新しいことにチャレンジしたいと考えていた中、食べられるお花“エディブルフラワー”に興味を持ちます。地域で仲良くなった異業種の人のサポートにより想いを実現させた海老澤さんに、三鷹産エディブルフラワーのブランド「hanayaka」を立ち上げたきっかけや、花に込められた想いを伺いました。

同世代の仲間に刺激を受け、新しいことに挑戦

■インタビュー えびさわ農園 海老澤一晃さん

 海老澤一晃さんは三鷹市大沢で400年続く花農家の15代目で、現在39歳。東京都農林総合研究センターでの1年間の研修を経て、2010年、27歳で家業に就きました。海老澤さんはJA東京むさし三鷹地区青壮年部に所属しており、野菜や果物を生産している同年代の農業者との会話の中で、しばしば食育がテーマになります。食育とはつながりのない、観賞用の花を作る海老澤さんは少し寂しく感じる時があったそう。花作りを始めた頃からあった、「自分も食べられるものに関わってみたい。」という気持ちが強くなってきました。

 「青壮年部のメンバーは、新しいものを作りたい、もっと売りたいと精力的にいろんなことにチャレンジする人が多く、それに刺激を受け、挑戦してみようと思うようになりました。」と話す海老澤さん。調べてみたところ、既に育てている花の中に食べられる種類がいくつもあって、正しい育て方をすれば、食用として提供できることが分かりました。「エディブルフラワーにチャレンジしてみよう。」という思いが膨らみます。

海老澤一晃さん
えびさわ農園15代目の海老澤一晃さん
ナスタチウム(左)とベゴニア(右)
ナスタチウム(左)とベゴニア(右)も食べられるそうです。

地域の異業種の人たちのサポートでブランド化を実現

 ところが、エディブルフラワーを作っても、どのように売り込んでいけば良いのかわからなかった海老澤さん。
 青壮年部の活動の中でつながりのあった、三鷹市の頑張る農家さんを応援する団体「まちなか農家プロジェクト」のメンバーで、イラストレーターの小坂タイチさんに相談します。そして、偶然にも仕事でエディブルフラワーに関わりのあった小坂さんの紹介で、都内でエディブルフラワーを栽培している農家さんを見学することから始めました。
 エディブルフラワーは、英語表記ではedible flowerと書き、その名のとおり、食用として農林水産省のガイドラインに基づいて無農薬または低農薬で栽培された食用花のことです。見た目の美しさの一方で、摘み取った花は日保ちしないため、販売には難しさもあります。
 「名前がないと売り込みづらい。認知してもらうためにもブランド化していこう。」小坂さんからのアドバイスもあり、ブランディングやロゴ、チラシ作りを小坂さんに依頼。また、出来上がったブランドをいろんな方に知ってもらうため、「まちなか農家プロジェクト」の発起人である苔口昭一さんに、ホームページの制作やインターネットを使った情報発信について協力を依頼しました。こうしてブランド「hanayaka」は生まれました。ブランドには、「食卓をもっと華やかに」をコンセプトに、目だけではなく舌でも楽しんでもらいたいという想いが込められています。

ロゴに海老が描かれたチラシ
「ロゴやチラシには必ず“海老”が描かれているんです。よく見ると気がつく。遊び心があって、とても気に入っています。」と出来上がったチラシについて嬉しそうに語ってくれました。

M-マルシェで華やかにデビュー

 お披露目は、当初、昨年のオリンピックに合わせて井の頭公園で開催されるイベントへの出店を予定していましたが、コロナ禍でイベントは中止に。今年5月22日(日)、三鷹中央通り商店会で開催されたM-マルシェで販売開始となりました。

 マルシェでは華やかな花が目を引き、多くの人が足を止めていました。また、その花が食べられると聞き、さらに興味を示していました。「どんな料理に使ったら良いか」という質問も多く、使い方の提案の必要性を感じたそうです。さらに、市内の飲食店からは使ってみたいという声ももらいました。

 「まずは身近なところから始めて、お客様や知り合いの声を聞き、生産量を見極めながらゆっくりブランドを展開していく予定です。今まで作ってきたものを大切にしながら、新しいことにも取り組んでいきたいと思っています。」と海老澤さんは笑顔で語ってくれました。

エディブルフラワーを両手に持つ海老澤さん M-マルシェで販売した商品 

M-マルシェで販売した商品は完売だったそうです。今後の展開が楽しみですね。

ライター:細川優子

愛するまち三鷹に目を向け、地域資源を活かして始めた新しい事業や、同じ目的・関心から生まれた集まりなど、さまざまな形で地域の活動に取り組む人を紹介します。

ライター:細川優子