2019年度2号「三鷹の輝く人」インタビュー

公開日 2019年09月01日

三鷹まちづくり通信2019年2号(2019年9月1日発行)

ゆるやかに人とつながって、やりたいことを実現できる三鷹は「人が宝のまち」

 三鷹の様々な地域活動の場で、しばしばお名前を聞くルモアン 直美さん。一体いくつの活動をしているの?時間のやりくりの仕方は等々、疑問がいっぱいでした。ルモアンさん流の地域活動との関わり方を伺ってきました。

「三鷹で独りぼっち」から一転

 ルモアン 直美さんは、「7年前までは都心の会社に勤めながら、三鷹の自宅には帰って寝るだけの生活で、誰も知り合いがいなかった」と言います。仕事に忙殺される毎日に疑問を感じ、若い頃から関心のあった環境について考察を深めようと、働きながら女子栄養大学に入学。そして、奨学金制度「将来のプラン企画募集」に「食・健康・国際交流のゆるやかな場づくり」の3つのテーマで応募し、認定されました。いざ実践しようとしましたが、何から手をつけたらいいか途方に暮れていたところ、三鷹ネットワーク大学で「人・街・つながる交流型まち活シンポジウム(ビジネスパーソンのためのみたか入門)」が開催されることを知りました。2012年5月のことです。

3つのプランを実現・継続

 ルモアンさんはなにかのきっかけになればとシンポジウムに参加しました。そして、そこで知り合った人たちの支えでプランを実現します。

 初めに着手したのは、三鷹駅南口駅前広場での日曜朝のラジオ体操です。2~3人で始めましたが、徐々に人が増え、三鷹市の道路清掃ボランティア制度「みちパートナー」に認定されたことにより、ラジオ体操をしてから、道路の美化清掃をし、朝食カフェで交流する現在のスタイルが出来上がります。年齢、性別、国籍、障がいのあるなしに関わらず、誰でも自由に、かつ気軽に参加できます。今までの参加者はのべ5,000人。朝食カフェで「Good&New」をキーワードに一人一人の発表を聴くことが楽しくて、やっていて良かったと感じるひと時だそうです。

 2つめプランの「ローカルツアー たびもあ」は世界からの留学生や観光客と交流するローカルツアーです。観光地ではないところを案内したり、和食や書道を体験しましたが、今では外国人だけではなく、「異日常を知る」交流の場を作る活動へと発展し、防災やジェンダーについての勉強会や、食に関する映画上映会などを開いています。8月に開催した映画上映会は、地域でなにかをしたいとやってきた学生と共に企画。三鷹の友人の無農薬農家や無添加のハム・ソーセージのお店から提供された食材を使った軽食を用意。映画監督のトークもあり、大盛況でした。

 3つめの不定期で開かれる「ワンデイシェフ・レストラン」では、ルモアンさんの夫で、フランス人のナチュラルワイン醸造家のシリルさんが自慢の料理の腕を振るい、本人のナチュラルワインと三鷹産など地場野菜を使った食の交流の場になっています。

 知り合いがいなかった7年前が嘘のように、まちを歩けば多くの知り合いと会います。

コツは、義務にしないこと

 ルモアンさんによると、困った事態になった時、いつも協力や助言してくれる人と出会えます。「三鷹はそんなステキな人がいっぱい」と言います。

 地域活動のモットーを尋ねると、「仕事は『ねばならない』がいっぱい。地域での活動は、そういうことは最大限やめる。楽しみながら、ゆるやかにつながるのがいいと思うんです」。

 仕事をしつつ、並行してたくさんの活動ができるのは、気負いがないからのようです。

 地域へ入っていくことに躊躇している人へ「まずはとにかく靴を履いてみてください。外に出かけるしかなくなります(笑)。 新しいことに挑戦したい人にとっては、三鷹は宝のまち。いろいろな人と知り合えて本当に幸せです」と断言するルモアンさんとお話ししていたら、私も三鷹で知り合いを増やして、肩に力を入れずに暮らしを楽しみたいという思いが募ってきました。

ローカルツアー たびもあ
三鷹駅南口駅前広場での日曜朝のラジオ体操
写真提供:「冬の早朝 みたか駅前ラジオ体操」
撮影者 シリル・ルモアンさん
(第23回三鷹まちづくりフォトコンテスト
  みたかフィルムコミッション賞受賞作品)

■ enchanté ~つながりのはじめまして~
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ライター:小田原 澪

三鷹在住のライター 小田原 澪が、三鷹でまちづくりの一翼を担う人にスポットを当て、事業活動を通して紹介します。

ライター:小田原 澪