2021年度3号「まちから始まる新チャレンジ」インタビュー

2021年度3号「まちから始まる新チャレンジ」インタビュー

2021年12月1日

三鷹まちづくり通信2021年3号(2021年12月1日発行)

0歳から100歳まで楽しめる多世代交流拠点で、地域への想いを原動力に多様で楽しい場づくりを実現

 どこか懐かしさを感じさせる木目調と白壁のインテリアが印象的なお店「せんべいの駄菓子屋さん」を営む紙芝居使のせんべいさん。お店を8月にリノベーションし、それを手掛けたのは、デザインリフォームの専門家でありながら自身の運営する「DIY STORE 三鷹」で多世代交流レンタルスペース「0100space」をオープンした白石さん。二人とも、自分たちが育ち暮らしてきた三鷹という地域に根差しながら、新たな多世代交流の場を作り出す活動をされています。そこで、今回地域への想いや自身の活動について伺ってきました。

紙芝居屋さんが始めたまちの駄菓子屋さん

■インタビュー せんべいの駄菓子屋さん 店主・紙芝居使 せんべいさん

 2019年3月12日「だがしの日」に三鷹市牟礼の住宅地にオープンした「せんべいの駄菓子屋さん」。開店から2年半経った現在、そのユニークさもあってか放課後の小学生など、子どもたちが気軽に立ち寄るようになり、地域にその存在が浸透し親しまれています。

 「おせんべいを取りそろえた駄菓子屋さん?」と尋ねる人もいるそうですが、店名の由来は店主さんの名前から。お店には、一定年齢以上の大人には昔懐かしいオーソドックスな駄菓子やおもちゃが並び、"昭和の駄菓子屋さん"を再現したような雰囲気です。

 「私の本業はあくまで紙芝居を使って表現するプロの紙芝居師です」と店主のせんべいさんは話します。「紙芝居以外に何かできないか、と思ったときに、昭和の街頭紙芝居屋さんが駄菓子を売っていたことや、先輩の駄菓子屋さんが地域の居場所作りをしていることに感化され、私も駄菓子屋を始めました。先輩たちの地域の居場所には駄菓子屋を通じたコミュニティがあり、不登校や学校が苦手な子どもたち、お母さんたちの相談の場になっていたんです。そんな地域の居場所作りに面白さを感じています。それに昔の紙芝居の場って、子どもにとって娯楽と同時に社会や大人の世界をのぞき見る社会勉強の場でもあったと思うし、そういう場づくりをしたいと思って続けています。」

せんべいさん
駄菓子屋さんを運営する紙芝居使のせんべいさん

「地域のお茶の間になりたい」
駄菓子屋を通した、多世代が集うコミュニティスペースへ

 店舗はもともと自宅の車庫(ガレージ)をそのまま活用していましたが、「三鷹に素敵なデザインリフォームができる人がいるから」と地元の友人の紹介で「DIY STORE 三鷹」などの代表を務めるTLSグループの白石尚登さんに店舗リフォームを依頼。そして、2021年8月はじめに新装オープンしました。「私のやりたいこと、夢を叶えてもらった」と嬉しそうに話されたのが印象的でした。

 せんべいさん自身、紙芝居の上演だけでなく、人前でしゃべったり、歌ったりすることが好きで、このお店をイベントスペースとして今以上に活用していきたいそう。「紙芝居は子どもが楽しむだけではなく、お年寄りも紙芝居を見ると子どもの頃のような笑顔になります。時代が変わっても変わらない場所として、紙芝居と駄菓子を通じていろんな世代の人がふらっと来てホッとして帰る、そんな場所になりたいんです」と語るせんべいさん。近所に暮らす多世代の人たちが幅広く、気軽に集まれるコミュニティスペースとして「地域のお茶の間」のような存在になりたい、と話されました。

 コロナ禍で人と会う機会が減った今だからこそ「地域の人の居場所になれれば」と、場を提供するせんべいさんの温かい想いがしみじみと伝わってきます。せんべいさんなりの駄菓子屋さんとして、今後の展開に注目です。

「せんべいの駄菓子屋さん」外観 「せんべいの駄菓子屋さん」お菓子
2021年8月に店舗改装を終えた「せんべいの駄菓子屋さん」

■ せんべいの駄菓子屋さん
東京都三鷹市牟礼6-12-26
WEBサイト等:https://senbei-kamishibai.jp/Facebook

"0歳から100歳までの多世代交流"がテーマのレンタルスペース
「0100(ゼロイチゼロゼロ)space」とは?

■インタビュー DIY STORE 三鷹 代表 白石尚登さん

 三鷹市新川に、メディアでも頻繁に紹介される画期的なスポットがあります。それが多目的用途で使えるレンタルスペース「DIY STORE 三鷹」です。資材を購入してそのままDIY作業ができたり、焚き火やBBQができたり、工作教室やマルシェなど飲食イベントが開かれたりと、そのスペースの使い方や活用の幅は自由で多岐にわたっています。

 今年2021年4月に、敷地内のアパートの一室をリノベーションし、"0歳から100歳までの多世代交流"をテーマに掲げるレンタルスペース「0100(ゼロイチゼロゼロ)space」をオープンしました。屋内施設ということでキッチンを併設していて、飲食店や料理教室、コワーキングおよびコミュニティスペース、パーソナルジムやエステなど、日替わりでいろいろな人がそれぞれの使い方でレンタルし、やりたいことを実践する場として活用されています。

 「せんべいの駄菓子屋さん」の店舗リフォームも手掛けた、代表 白石さんに運営にあたっての想いやお話を伺ってきました。

「0100space」外観 「0100space」看板
「0100space」は、木造アパートをリノベーションし、いろいろな用途に利用できる場所として生まれ変わっています

「責任世代」として地域貢献したいという想い。
コロナ禍で試行錯誤してトライ

 白石さんはデザインリフォーム、ガーデン・エクステリアなどいくつもの会社代表でありながら「DIY STORE 三鷹」も運営するTLSグループのリーダーとして活躍されています。

 自身の事業や活動について、常に"地域に寄り添う、地域密着型"であることを心がけていると話します。「自分たち40~50代の"責任世代"は仕事に没頭して趣味を持たない人も多いと言われますが、むしろ地域のおまつりやイベントにも参加して、次世代につなげていく責任があると考えます。そのためにできることをコロナ禍でも試行錯誤し、駅から遠くても“こんな事ができるぞ”と、会社の仲間たちとアイデアを出しながらトライしてきました。」と熱く語ってくれました。

 "とりあえずやってみよう"の精神で郊外型のビジネスモデルの実践や、生まれ育った三鷹で農家の方々や地域の人たちを巻き込んだお散歩マップづくりなど、とにかく楽しいことをやっていきたいと話されました。

 「0100space」の多世代交流という面では、近隣の単身暮らしの学生が訪れたり、利用者同士のコラボレーションが数多く生まれたりしていて、相乗効果も実感しているそうです。「今まで自然にやっていた事を深堀りした結果生まれたスペースです。コロナ禍で遠出できない地域の人の居場所として持続させていきたいですね。まちなかでもできる、ホッとできる場所になりたいんです。」と話す白石さん。ぜひこれからも新しいことを三鷹発信で仕掛け、楽しい場所を作っていって欲しいですね。

白石さん(左)と岸下さん(右)
0歳から100歳までの多世代交流を目指す0100spaceを運営するTLS Group 代表 白石さん(左)とDIY STORE 三鷹 店長 岸下さん(右)

■ DIY STORE 三鷹
東京都三鷹市新川2-9-3
WEBサイト等:https://diystoremitaka.com/FacebookInstagram

さいごに

 今回は「多世代交流の場所づくり」という一つの共通テーマをもとにお二人の方にインタビューしました。最後に、三鷹という地域についてのイメージを伺ったところ、お二人とも「三鷹は行動力のある人が多い」ということを挙げてくれました。まさに今回のインタビュー対象のお二人もそれに当てはまるという感想を持ちましたし、情熱を持っていろいろな活動をされている魅力的な方が三鷹には多く、それが活気あるまちにつながるのでは、と改めて感じました。

ライター:石井将直

三鷹市内のいろいろな活動や物事をウォッチしたいライター石井将直が、私たちの暮らしを豊かにするために、三鷹市内で新たなことにチャレンジしている様々な取り組みや人を紹介します。

ライター:石井将直