2021年度2号「まちから始まる新チャレンジ」インタビュー

公開日 2021年09月15日

三鷹まちづくり通信2021年2号(2021年9月15日発行)

2021年度2号特集

 三鷹市下連雀4丁目にあるブックカフェ「みたかのば -mitaka nova-」は単なる本屋兼カフェではありません。さまざまなイベントを通じて、たくさんの人たちが自分の「やりたいこと」を実践し、実現してきた活用幅無限大の多目的スペースです。そのお店への想いや運営について、みたかのば代表のお2人にお話を伺いました。

 

代表の2人が出会って「やりたいこと」を掛け合わせた場

 「みたかのば -mitaka nova-」は2019年3月にオープンし、今年2021年で開業3年目を迎えるコミュニティ・ブックカフェです。

 お店の共同代表でコミュニティ・コーヒーマスターの千葉さんは、三鷹市に住んでおよそ20年。2017年に勤めていた会社を定年退職したこととご家族の介護をきっかけに、「地域」へ目を向けるようになったそうです。そこから市内で行われている三鷹市市民協働センターの「まち活塾」や、三鷹市社会福祉協議会主催の地域福祉ファシリテーター養成講座などの市民向け講座に参加するとともに、地域活動にも積極的に参加。活動を始めて「三鷹はさまざまな地域参加の入り口と機会があり、“やりたいこと”を持つアクティブな人たちが多いのが魅力のひとつだと感じました。そんな三鷹の人たちに触れ、少しずつでも“やりたい人”たちと関わっていきたいと思いました。」と千葉さん。

 そんなとき、近所の空き家活用・リノベーションのプロジェクトをSNS上で知ります。建築士の淺野さんが、空き店舗となっていた元スナックの活用方法を一緒に考えるイベント「みたかバー」が2回開催され、千葉さんが両日参加されたことから意気投合した二人が、やりたいことを実現する場所として、空き店舗を改装したコミュニティ・ブックカフェ「みたかのば -mitaka nova-」が誕生します。

 千葉さんは喫茶店のマスターや音響機器の知識、淺野さんは本好きと建築設計の知見などを持ち寄りながら、集まってきた人がやりたいことを気軽に叶えられる場所、コミュニティのハブや活動拠点となるような場所を、おいしいコーヒーや本とともに提供しています。

みたかのば共同代表兼マスターの千葉清さん
みたかのば共同代表兼マスターの千葉清さん。みたかコミュニティ・コーヒーマスター(CCM)として、福祉施設やイベントなどにコーヒーを淹れに行く地域に根差した活動などもされています。

地域内外に住む人の「活動拠点」あるいは「秘密基地」に、という願い

 「みたかのば -mitaka nova-」に実際に行ってみると、"ブックカフェ"として本や喫茶といったくつろぎだけでなく、それだけに留まらない活用の多様さに気づきます。

 これまでもたくさんの企画やイベントが開催されてきました。場の活用例として、ギター教室、落語会、映画上映会、間借りカフェや間借りカレー屋、ワークショップ(ものづくり・クラフト系など)、アート展示会、音楽・トークライブ、ミーティングスペース、講演会、運動部など、お店は実にさまざまな使われ方をしています。日替わりでさまざまな活用のされ方をしていることが公式サイトのカレンダーから分かり、こんなイベントもやっているのかとその幅の広さに驚かされます。

 「“やってみたいをやってみる”をコンセプトにみたかのばを運営しています。こどもの頃作った"秘密基地"のような場所として、これからも地域内外のいろいろな人の“やってみたい”を叶える場所として使ってもらえたら嬉しいし、それが私達の喜びです。」と淺野さんは語ってくれました。
 また、千葉さんからアクティブシニア男子に街に目を向けて欲しいとの言葉が。「自分のように何かをきっかけに地域と関わりたいと思う人の背中を押したい。活き活きした第二の人生を送れますよ。」というエールもいただきました。

 今、何かやりたいことがある人の、"あなたがやりたい何かを見つける場所"、"人との新たな交流やコラボレーションの場所"として一度訪れてみることをおすすめします。スペースを使って何かやりたい人には、店主・マスターの2人が話を聞いて、柔軟に協力してくれることでしょう。店にはプロジェクターやスクリーンほか、調理スペース・器具など各種イベントに対応するための資材も一通りそろっています。

みたかのば代表・店主の淺野雄太さん
みたかのば代表・店主の淺野雄太さん。建築士でその技術や知見を活かしたDIYや味噌づくり発酵など各種ワークショップなども企画します。写真左側はご家族の作られたレジンアクセサリー「みたかのば★ジュエリー」

思ってもみなかった使われ方にワクワク。小さな創業支援の役割も担う

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で休業した時期もありましたが、今では「何でも受け入れる」スタンスで、ハードルを下げ、使ってくれる人を増やすことを目標に、営業を続けています。そのため、公共の施設や大型の施設・スペースの利用が制限されるなか、“みたかのば”をネットなどから探し当て、小規模で利用したいと訪れる人が少しずつ増えているそうです。

 これによって、今まで考えたこともなかったような使われ方、たとえば「舞台演劇発表の場としてお店を使いたい」という企画も立ち上がっているそうです。そういった新しい使われ方は開業時に想い描いた形を超え「続けて来て良かったと実感でき、人と人とが出会うことによって生まれる“何か”に今もワクワクしています。やはりリアル店舗の面白さは、繋がりと想像を超えた方々との出会いですね。」と話されました。

 また、“みたかのば”では現在「ほぼ's カフェ」という運営者の異なる間借りカフェも週2日間営業しています。もともとコーヒー店に勤務の方が、独立開業しこだわりのお店を開いています。このような小さい創業支援の形としても実を結んでいます。「ここは、トライ&エラーができる場所」と話す浅野さん。今後はそういった小さな創業支援の意味も込めて、一緒に店舗運営をしてくれるパートナーも絶賛募集中とのこと。「何かをしたいあなたの想いを叶える場所」として、ぜひ今後も可能性が広がっていくことを応援したいですね。

みたかのばのお店外観
みたかのばのお店外観。写真手前側のみたかのばロゴをあしらった電動スクーターは、配達や買い物の足になっています。
みたかのばのお店内観
みたかのばのお店内観。左のボックス棚では本の販売だけでなく、展示スペースとして個人に棚貸しを行っています。店内には絵やイラストなど過去のいろいろなイベント展示の一部が飾られ日々変化しています。

■ コミュニティブックカフェ みたかのば -mitaka nova-
東京都三鷹市下連雀4-6-7(JR中央線三鷹駅南口より徒歩10分)
・WEBサイト:FacebookInstagram

 

ライター:石井将直

三鷹市内のいろいろな活動や物事をウォッチしたいライター石井将直が、私たちの暮らしを豊かにするために、三鷹市内で新たなことにチャレンジしている様々な取り組みや人を紹介します。

ライター:石井将直